NTTドコモが2017年1月27日に発表した2016年4~12月期業績は、営業収益(売上高)が3兆4696億円(前年同期比2.5%増)、営業利益が8423億円(同22.9%増)、当期純利益が5894億円(同19.7%増)の増収増益だった。光ファイバー回線「ドコモ光」やスマートフォン(スマホ)関連のサポート・補償サービスの契約を順調に増やしたほか、既存ユーザーの解約を防ぐ施策で売り上げの下振れを防いだことが奏功した。

2016年4~12月期決算を発表するNTTドコモの吉沢和弘社長
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2016年4~12月期決算を発表するNTTドコモの吉沢和弘社長

前年比1568億円の大幅増益

 前年同期から営業収益を1568億円積み増した。内訳は通話・通信料や端末販売収入などから成る通信事業が1278億円、付加サービスや新規事業を含むスマートライフ領域が290億円。

 通信事業では、ドコモ光の契約数が2015年12月末の109万回線から2016年12月末に約3倍の297万回線へと増加し、売上高を666億円押し上げた。「ドコモ光では(NTT東西の『フレッツ光』からの)転用ではなく新規の契約が増加しており、新規回線の比率は1年前の2割から4割に増加している」(吉沢和弘社長)。

 端末販売収入は前年同期より715億円減少。端末販売関連の費用減を差し引き、281億円の減益要因となった。総務省の端末販売に関するガイドラインの影響で「事業者間の競争が鎮静化し、新規販売も減っている」(同)。

 2016年9月に発売した米アップルの「iPhone 7」について、吉沢社長は「発売当初を中心に一部の色・モデルが品薄で販売が伸び悩んだが、今は6sを上回る出荷実績になっている」とした。

 ドコモ独自デザインの低価格スマホ「MONO」は一時品切れになるなど予想を上回る売れ行きを記録した。「まだ1機種だが、こういった製品をもう少し増やしたい。併せて、そうした端末に対して設定する月額の料金についても研究していく」と吉沢社長は話し、低価格帯のスマホの品揃えを拡充する意向を示した。