米Appleは、米Amazon.comや米Google、米Microsoftなど6社が設立したAI(人工知能)研究のグループにまもなく参加すると複数の米メディア(ComputerworldMac Rumorsなど)が現地時間2017年1月26日、米Bloombergの報道を引用して伝えた。早ければ1月の第4週中にも発表される可能性があると事情に詳しい関係者は話している。

 Appleが参加すると見られているのは、Amazon、Google、Microsoftのほか、Google傘下の英DeepMind、米IBM、米Facebookが2016年9月28日に設立を発表した非営利グループ「Partnership on AI」。このグループのメンバーは共同で研究を行い、ベストプラクティスを策定、推奨し、研究成果をオープンなライセンスのもとで公開することを目指している(関連記事:Google、Facebook、IBMなど米技術大手がAI研究でタッグ)。

 Bloombergによると、この非営利グループ発足の発表があった際、「不在者」として目立ったのはAppleや米Intel、米Twitter、中国Baidu(百度)など。このうちAppleは、2011年の「iPhone 4S」の市場投入とともに「Siri」を提供し、消費者向けAIの分野でいち早く存在感を示したが、その後AmazonやGoogleといった競合に押されているという。Appleの秘密主義が技術の向上や良い技術者の獲得といったことを妨げたのではないかとBloombergは伝えている。

 そうした中、Appleは先ごろ、米カーネギーメロン大学教授のRuss Salakhutdinov氏をAI研究のディレクターとして雇い入れ、画像認識の機械学習に関する研究論文を発表するなど、状況に変化が表れてきた。Appleの「Partnership on AI」への参加は、同社の方針がよりオープンなものへと変わってきたことを示しているのではないかとBloombergは伝えている(関連記事:AppleがAI研究論文を初公開、秘密主義から方針転換か)。