シーティーシー・エスピー(CTCSP)は2017年1月26日、汎用PCをカスタマイズしてシンクライアント化して販売するサービス「Smart Secure Client」を発表、同日販売を開始した。シンクライアント化したPCの価格(税別)は、デスクトップ型が1台当たり5万円から、ノート型が1台当たり10万円から。販売目標は初年度(2018年3月期)に5000台。

Smart Secure Clientの概要
Smart Secure Clientの概要
(出所:シーティーシー・エスピー)
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 市販の汎用PCにリモートデスクトップ機能やセキュリティ機能を導入して、シンクライアント端末に仕立てる。ユーザー要件に合わせてシンクライアントソフトや設定をカスタマイズして納品する。特定業務の専用端末として、操作可能なアプリケーションを起動時に表示する画面を設ける使い方もできる。

 端末上にデータを残さない仕掛けによって、シンクライアント用途だけでなく一般のPC用途で作成したデータの漏洩も防止する(関連記事:17型大画面のWindows Embeddedシンクライアント)。CTCSPはまず、市販されている汎用PCのOSを組み込み用途のOS「Windows 10 IoT」に入れ替える。同OSが備えるデータ保護機能「EWF(Enhanced Write Filter、書き込み保護フィルター)」を使い、データを全てメモリー上に記録する。OSを再起動するとデータは消去されるため、端末の盗難時や紛失時にデータが漏えいするおそれを減らせる。

 シンクライアント化の対象となるPCは、東芝、日本HP、日本マイクロソフト、ファムの4社。用途に応じて複数のラインアップから選択できる。選択肢の中から、好みのPCをベースとしたシンクライアントを購入できる。

Smart Secure Clientが使えるパソコン
Smart Secure Clientが使えるパソコン
(出所:シーティーシー・エスピー)
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 CTCSPは、汎用PCをユーザーの要件に合わせて個別にカスタマイズするサービスを2014年4月から提供している。みちのく銀行などの金融機関、一宮市役所などの自治体、サービス業などに導入実績がある。同様な需要が増えてきた背景を踏まえて、今回サービスを体系化した。