米Cisco Systemsは現地時間2017年1月24日、アプリケーション性能管理の米AppDynamicsを約37億ドルで買収する意向を明らかにした。2017会計年度第3四半期(2017年2~4月)の手続き完了を目指す。

 AppDynamicsは米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く非公開企業。AppDynamicsのクラウド型パフォーマンス監視プラットフォームは大手グローバル企業らがアプリケーションや事業のパフォーマンス向上に利用しているという。

 CiscoのIoTおよびアプリケーション事業部門担当ジェネラルマネージャ兼上級副社長のRowan Trollope氏は、「アプリケーションは企業の成功にとって必要不可欠な要素であり、それらアプリケーションが適切に動作し続けることが極めて重要になっている。しかし企業のIT部門や開発者は、点在する複雑で多様なデータの処理という課題に直面している」と説明。AppDynamics買収により、Ciscoはネットワークからアプリケーションに至るエンド・ツー・エンドの視認性と洞察を企業に提供できるとしている。

 買収後、AppDynamicsはCiscoのIoTおよびアプリケーション事業部門の新たなソフトウエア事業として、引き続きDavid Wadhwani最高経営責任者(CEO)が指揮を執る。Wadhwani氏はTrollope氏の直属となる。

 英Reutersによると、AppDynamicsは新規株式公開(IPO)を目指し、有力投資家向けの説明会(ロードショー)を実施していた。1月25日に公開価格を決定する予定で、価格レンジは12~14ドルとみられていた。なお、同社が2015年11月に実施した投資ラウンドでは、企業価値19億ドルと見積もられていた。

 Ciscoはスイッチやルーターといったデータセンター向けハードウエア事業が伸び悩んでおり、ソフトウエア分野に注力する動きを進めている。2016年2月には、IoTサービスプラットフォームの米Jasper Technologiesを14億ドルで買収している(米Fortune)。

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