Webサイトの通信暗号化(SSL/TLS)技術に関わるサーバー証明書サービス大手の米デジサートは2018年1月25日、年内をメドに日本国内に認証局(CA)を新設すると発表した。従来は日本でWebサイトを運営する顧客向けには米国など海外にあるCAからサービスを提供していた。日本国内にCAを構築することで、顧客サポート体制を強化する。

米デジサートのジョン・メリルCEO(最高経営責任者)
米デジサートのジョン・メリルCEO(最高経営責任者)
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 デジサートは米シマンテックからWebサイトセキュリティ事業を買収し、継承した。米グーグルとシマンテックの間で起こったサーバー証明書の信頼性に関する紛争が発端だった。デジサートは、旧日本ベリサインやシマンテック日本法人から引き継いだ顧客を多数抱える。

 デジサートのジョン・メリルCEO(最高経営責任者)は「日本事業はまだ伸ばす余地がある。Webサイトのセキュリティに加えて、今後はIoT(インターネット・オブ・シングズ)のセキュリティ分野での事業拡大も念頭に置き、日本で製品開発から供給・サポートまでを完結できる体制を目指す」と述べた。

 ジェレミー・ローリー製品担当エグゼクティブバイスプレジデントはシマンテックからデジサートへの移行プロセスを説明した。2017年12月1日にシマンテックの全既存顧客に対し約238万件のサーバー証明書を発行。2018年9月13日までに、かつてシマンテックが発行したすべての証明書が無効化されるという。

 デジサート・ジャパンの平岩義正営業本部長は「ベリサインやシマンテック時代からずっとこの事業に関わってきた。日本ではまだ『常時SSL』に対応していないWebサイトも多く、新体制でこれまで以上に事業を強化する」と述べた。