KDDI(au)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は2018年1月25日から3日間、JR上野駅で5Gの高速無線通信回線とVR(仮想現実)を併用して、遠隔地での買い物を体験できる技術の検証を実施する。利用者は上野駅にいながら、鉄道とBRT(バス高速輸送システム)を乗り継いで4時間超の場所にある「南三陸さんさん商店街」(宮城県南三陸町)にいるかのような体験ができる。

JR上野駅側の様子。VRゴーグル「HTC Vive」で遠隔地にいるかのような体験ができる
JR上野駅側の様子。VRゴーグル「HTC Vive」で遠隔地にいるかのような体験ができる
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 期間内は上野駅中央改札前の特設会場で誰でも体験できる。1月26日、27日の実施時間は午後1~4時の予定。

 南三陸さんさん商店街は東日本大震災で被災した商店が集まった仮設商店街を常設化したもので、南三陸町の観光名所になっている。同所に360度カメラと5G基地局を設置し、上野駅へリアルタイムで送信する。

「南三陸さんさん商店街」側の様子。360度カメラで撮影した映像を5G回線で伝送
「南三陸さんさん商店街」側の様子。360度カメラで撮影した映像を5G回線で伝送
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 VRゴーグルには台湾HTCの「HTC Vive」を採用。VR映像は現行の4G LTE回線でも伝送可能だが、遅延やコマ落ちが発生する。5Gを使えば安定的に映像を伝送できるという。

 報道陣向けのデモンストレーションでは、上野駅でVRゴーグルを装着した人が、小雪がちらつく商店街を歩き回ってかまぼこ店に入り、名産の「笹かま」を見定める様子を披露した。顔の向きを変えれば画面に映る風景が変わり、現地にいるかのような体験ができる。

 KDDIはJR東日本と共同で5Gの実用化に向けた複数の実証実験を推進している。2017年10月には、走行中の電車内で8K高精細動画をストリーミング受信する実験に成功した。