NTTデータビジネスブレインズは2017年1月25日、改正があった電子帳簿保存法のセミナーを報道関係者向けに開催した。同法は2016年に規制緩和する改正があり、2017年1月1日から専用のスキャナーでなくても書類の電子化が認められている。

 電子帳簿保存法は国税庁が一定期間の保存を求める税務書類を、電子的に保存する方法を定めた法律。変更履歴の記録や細かい検索機能などの要件を満たせば、紙の書類は電子化してから破棄できる。

 2016年の改正から、書類を電子化する時に使うスキャナーの「原稿台と一体型に限る」という要件が廃止。汎用スキャナーはもちろん、スマートフォンやデジタルカメラでも電子化が認められた。スマートフォンで電子化するには、領収書や契約書の発行から3日以内に撮影する必要がある。

 ビジネスソリューション事業部の的羽幸洋パッケージグループ担当部長は「電子化してもすぐに書類は破棄できないため、電子化するコストメリットは限定的」と指摘した。電子化した書類を破棄するには、管理責任者によって電子データと書類が同一である目視での確認作業が必要なためだ。

NTTデータビジネスブレインズの的羽幸洋ビジネスソリューション事業部パッケージグループ担当部長
NTTデータビジネスブレインズの的羽幸洋ビジネスソリューション事業部パッケージグループ担当部長
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 的羽部長は「電子化した書類を検索できるように日付や金額を入力する手間が掛かるため、税務書類を電子保存するシステムは同じ作業をする旅費精算や経費精算システムと連動させるべき」と話した。電子化データと書類を目視で確認する必要があるため、「3日以内に電子化するスマートフォンは使わず、収集した書類を一括して電子化する」(同)のが想定される電子化手順だという。