米Yahoo!は現地時間2017年1月23日、市場予想を上回る2016年第4四半期(2016年10~12月)決算を発表した。また、米Verizon Communicationsによる中核事業買収の手続き完了時期が、当初見込んだ2017年第1四半期から第2四半期にずれこむ見通しであることを明らかにした。

 米国会計原則(GAAP)ベースの第4四半期売上高は、前年同期比15%増の14億6900万ドルにのぼった。提携企業に支払う手数料(TAC)は前年同期の2億7100万ドルから5億900万ドルに拡大した。TACを除いた売上高は9億6000万ドルで、前年同期を4%下回る。

 GAAPベースの純利益は1億6200万ドル(1株当たり純利益は0.17ドル)で、前年同期は純損失44億3500万ドル(1株当たり純損失4.70ドル)を計上していた。特別項目を除いた非GAAPベースの場合、純利益は2億3500万ドル(1株当たり純利益は0.25ドル)となる。

 アナリストらは、TACを除いた売上高を9億800万ドル、特別項目を除いた1株当たり純利益を0.21ドルと予想していた(米Business Insider)。

 また、戦略的に重視する「Mavens」事業(モバイル、ビデオ、ネイティブ、ソーシャル広告の総称)の合計売上高は5億9000万ドルで、前年同期から25%増加した。

 同時に発表した2016年通期の売上高は51億6900万ドルで前年比4%増加した。TACは16億5100万ドル。純損失は2億900万ドル(1株あたり純損失0.23ドル)で前年から大幅に赤字を縮小した。

 Marissa Mayer最高経営責任者(CEO)は、「2016年通期および第4四半期の業績と、引き続き安定したユーザーエンゲージメントにより、Verizonとの将来見通しは明るい」と述べた。

 Yahoo!は2016年9月に5億人分以上の個人情報が流出していたことが発覚し、12月にはさらに10億人分以上の情報漏えいがあったことが判明したことで、Verizonが買収撤回を検討することが懸念されていた。

 なおYahoo!は中核事業売却後に社名を「Altaba」に変更し、中国Alibaba Group Holding(阿里巴巴集団控股)の株式15%と日本のヤフー(Yahoo! Japan)の株式35.5%を保有する投資会社となる(関連記事:米Yahoo!、中核事業売却後「Altaba」に改名 CEOは取締役辞任へ)。

 また米メディア(米Fortuneなど)は、Yahoo!がユーザー情報流出について米連邦証券取引委員会(SEC)の調査を受けていることが同社の提出書類から分かったと報じている。Yahoo!はSECをはじめとする連邦当局、州当局、外国当局の調査に協力していると提出書類で報告。これら当局はセキュリティ侵害に関する情報および資料提供をYahoo!に要請しているという。

[発表資料へ]