米Appleが「iPhone」などの同社製品のデザインを大幅変更するため、新たな生体認証システムを開発していると複数の海外メディア(米Mac Rumors米9to5Mac米Tech Timesなど)が現地時間2017年1月22日までに報じた。

 報道によると、生体認証システム開発の件は、Apple製品の市場動向やサプライチェーン情報に詳しい台湾KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo氏が1月21日に投資家向けに出した調査ノートで報告したもの。同氏は、将来発売されるiPhoneなどには、ベゼルのないフルスクリーンのフォームファクタが採用されると予測している。

 しかし現在、指紋認証機能「Touch ID」に採用されている静電容量方式のセンサーを用いると、このフォームファクタの実現が困難になる。そこでAppleは、ディスプレイパネル下に配置することができる光学式センサーの採用を検討しているという(関連記事:Apple、指紋認証技術のAuthenTecを買収へ)。

 ただ、光学式指紋認証センサーは、同じく将来のiPhoneに採用されると見られているフレキシブルOLEDディスプレイの信号干渉の問題を解決しなければならず、量産体制を構築するのが困難という状況。このため光学式指紋認証センサーは、2017年に発売される次期iPhone(通称:iPhone 8)には搭載されない可能性があるとKuo氏は報告している。

 このほか同氏は、Appleが顔認証技術の搭載についても検討していると報告している。それによると、将来のiPhoneなどでは、Touch IDセンサーが廃止され、これに代わり顔認証システムが導入される見通し。これにより端末のアンロックをはじめとするさまざまな認証処理を行うという。ただし、こちらも技術的な課題が予想されるため、ある一定期間は指紋認証と顔認証の2つの方式が採用される可能性があると同氏は報告している。