米連邦通信委員会(FCC)は現地時間2017年1月23日、Donald Trump米大統領がFCCの委員長にAjit Pai共和党議員を指名したことを明らかにした。

 Pai氏が新たなFCC委員長に就任する見通しであることは、政治ニュースサイト「Politico.com」をはじめ、複数の米メディアが報じていた(関連記事:新FCC委員長はAjit Pai氏?ネット中立性見直しの可能性も)。

 Pai氏は2012年よりFCC構成委員を務め、主だった議題のほとんどで前委員長のTom Wheeler民主党議員と対立した。2015年にFCCがネット中立性の新たな規則を承認した際でも、Pai氏はMichael O'Rielly共和党委員とともに反対票を投じた(関連記事:FCCがネット中立性の新規則を承認、ブロードバンド事業者を再分類)。

 Pai氏は、ネット中立性の規制が「将来撤回される可能性がある」と述べ、「短命に終わると信じている」とも発言。O'Rielly氏とともに、できる限り早くネット中立性を見直す意向を示している。

 またPai氏は先月の講演で、「今後数カ月で、時代遅れの不要な規制を排除する必要がある。投資や革新、雇用創出を抑制している規則は取りやめるべきだ」と述べたという(米National Public Radio)。

 規制強化路線だったWheeler氏に対し、Pai氏は自由競争を支持する規制緩和派だ。通信企業の大規模合併の承認について、FCCの方針はこれまでと大幅に転換される可能性があると米The Vergeは報じている。

 Pai氏は今月44歳になったばかりで、過去に米上院司法委員会、米司法省などに勤務した。米Verizon Communicationsの弁護士を2年間務めた経歴を持つ。

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