ケイ・オプティコムは、クラウドソーシングを活用した映像通訳サービス「クラウド通訳」の有料トライアルサービスを2017年1月23日に開始した。同日に発表した。

 クラウド通訳とは、テレビ電話を使いネット上で働く通訳者を呼び出せるサービス。新しい働き方として注目されるクラウドソーシングを活用し、専用のコールセンターを持たずにサービスを提供することで、安価な通訳サービスを目指す。

 このサービスは法人向けとして、日本全国に展開する。通訳受付時間は午前9時から午後9時。英語・中国語(北京語)・韓国語に対応する。

 初期費用は1万円(1ID~10IDまで)。月最大60分まで利用できる60分プランの5000円/月と、使い放題プランの1万2000円/月を用意した。ビデオチャット用の端末はレンタルも可能で、1000円/台・月。

 このサービスは、海外からの観光客が増える一方で、小売店舗などにとって、インバウンド観光客対応のための一般的な通訳サービスの料金は高額で、導入のハードルが高いという課題があるとの考えから準備を進めてきた。

 これまでに、2016年4月に城崎温泉(兵庫県豊岡市)にて同サービスの無料トライアルを実施した。城崎温泉の外湯、土産店や飲食店などの協力を得てクラウド通訳の検証を実施した。また、2016年10月には、海外からの参加者が増加している大阪マラソンで試験運用を実施した。

 今回の有料トライアルは、これら2回の無料トライアルの評価・反省を踏まえ、サービス提供を開始する。ケイ・オプティコムは、有料トライアルで得られる対応言語や通訳受付時間などの利用者ニーズに応えることで、本格サービスへとつなげていきたい考え。

 有料トライアルに向けた試験導入として、パルコの中でも、外国人旅行者比率が最も高い札幌PARCOのインフォメーションデスクおよびテナント店舗で、1月27日に運用を開始する。2月末までの間は、実際の利用者や店舗スタッフからの要望などを検証し、言語の追加検討や他店舗での展開に向けたサービス改善などを実施していく。

図1●札幌PARCOで試験導入(発表資料から)
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図1●札幌PARCOで試験導入(発表資料から)

 ケイ・オプティコムでは、主力サービスとして、個人向けFTTHサービス「eo光」、法人向けサービス「ビジネス光」「オフィスeo光」、MVNOサービス「mineo」を提供し、さらには「eo電気」を開始した。同社は、新たな事業の柱を築くために「事業開発推進室」を設置、その初サービスとして「クラウド通訳」を開始した。

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