NECは2018年1月23日、組み合わせ最適化問題を高速に解ける新方式の量子アニーリングマシンについて、シミュレーションなどで基本動作を実証したと発表した(プレスリリース)。今後研究員を増員し、2018年内に半導体による基本素子(量子ビット)を作成。2023年までに数十億円を投じて2000~3000量子ビット規模のマシンを実用化する考えだ。人工知能(AI)を使った社会課題の解決に生かすという。

 NECは今回、ノイズ耐性に優れ、量子状態を長く保つことができる新量子ビットと、量子ビット間の全ての相互作用を大規模に実装できる全結合方式のネットワークを組み合わせた基本回路について、理論解析とシミュレーションで動作を実証した。

 量子状態を長く保てる量子ビットの回路方式と、量子ビットを大規模に結合させるアーキテクチャーを両立させ、大規模な問題に対応できるメドがたったという。全結合方式を実現したネットワーク構成の詳細は明らかにしていない。