2017年1月21日、「2017 日露学生プログラミングコンテスト」が行われ、日本の東京大学 大学院生の杉森健氏が優勝した。

 本プログラミングコンテストは、日本とロシアの28歳までの学生を対象に、プログラミングスキルを競うもの。外務省の日露青年交流センターが主催している青年交流プログラムの一環である。日本の学生34名、ロシアの学生22名が参加した。ロシア側は、サンクトペテルブルグ大学やモスクワ物理工科大学などの学生。日本からは高校生も出場した。

写真1●2017 日露学生プログラミングコンテストの優勝者である杉森健氏
写真1●2017 日露学生プログラミングコンテストの優勝者である杉森健氏

 コンテストの設問は5問あり、制限時間の2時間以内に、より早くより多く正解できるかを競う。出場者は自分のパソコンを持ち込み、ネットワーク越しに出題される問題を黙々と解いていく。

写真2●コンテスト会場の様子
写真2●コンテスト会場の様子

 会場内には出場者の順位を示すディスプレーがあり、出場者がそれぞれの問題を正答するたびに、リアルタイムで順位が変わっていく。1問目を早く正答できても2問目の正答に時間がかかってしまえば、2問目を早く正答した他の出場者の順位が上がるのがわかる、という仕組みだ。全5問中、2問目までは日本の学生が上位を占めていたが、中盤にロシアの学生が急進。しかし後半、日本の学生が巻き返した。

写真3●会場内のディスプレー。リアルタイムで順位が変わっていく
写真3●会場内のディスプレー。リアルタイムで順位が変わっていく

 2時間で5問すべてを正答できた出場者はおらず、4問を最も早く正答した杉森氏が1位となった。設問を担当したAtCoder社の高橋直大 代表取締役社長は、「4問目、5問目は非常に高度な問題。2時間以内に5問すべてを正答できるのは、プログラミングスキルが非常に高いレベル」と話した。

 なお、3位までの順位は以下の通り。

1位 杉森健(東京大学 大学院)

2位 川﨑理玖(筑波大学附属駒場高等学校)

3位 アレクサンドル・ゴロバノフ(モスクワ物理工科大学)

 本コンテストはこれが第1回。運営事務局の大坪祐介氏によると、「第2回はロシアで開催する可能性もある」という。また同氏は、「ロシアの理系学生のプログラミングスキルは非常に高く、日本の企業などがそのスキルに目を向けてもらうきっかけにもなれば」と話している。