米連邦通信委員会(FCC)の新委員長には共和党議員のAjit Pai氏が就任する見通しだと政治ニュースサイト「Politico.com」が報じた。Tom Wheeler前委員長が中心となって導入したインターネットの中立性に関する規制を見直す方向に進む可能性があると、複数の米メディア(BloombergForbesなど)は伝えている。

 Donald Trump氏が米大統領に就任した現地時間2017年1月20日、Wheeler氏がFCC委員長を退任した。当初、Pai氏は暫定的に委員長代理を務めるとみられていたが、より大きな権限を持つことになりそうだ。

 Pai氏は2012年よりFCC委員を務め、主だった議題のほとんどでWheeler氏と対立した。2015年にFCCがネット中立性の新たな規則を承認した際でも、Pai氏はMichael O'Rielly共和党委員とともに反対票を投じている(関連記事:FCCがネット中立性の新規則を承認、ブロードバンド事業者を再分類)。

 Pai氏は、ネット中立性の規制が「将来撤回される可能性がある」と述べ、「短命に終わると信じている」とも発言していた。またPai氏とO'Rielly氏は先月、できる限り早くネット中立性を見直す意向を示した。

 Pai氏はカンザス州出身で今月44歳になったばかり。過去に米Verizon Communicationsの弁護士を2年間務めたこともある。FCC委員長に就任すれば、Kevin Martin氏以来、12年ぶりの共和党委員長の誕生となる。