三菱地所と綜合警備保障(ALSOK)、PKSHA Technologyは2018年1月22日から、東京都千代田区の新丸の内ビルディングで、深層学習による画像解析を活用した「新たなおもてなしサービス」の実証実験を開始。その様子を報道陣に公開した。実証実験の期間は10日間を予定している。

 実証実験では、道に迷っている人やしゃがみ込んでいる人、車いすに乗っている人など「困っている」可能性のある人を防犯カメラが検知すると、警備員のスマートフォンに通知する。

車椅子を利用している人が通路を通過する
車椅子を利用している人が通路を通過する
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画像解析の結果の画面。車椅子の人がいると認識している
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 「警備員が目視で防犯カメラを見続けるよりも、効率よく困っている人を発見できる。少ない警備員で、より安心・安全な警備体制につながると考えている」とALSOKの担当者は話す。

 解析の対象となる防犯カメラの画像は、以前から新丸の内ビルに設置されていたものを利用する。画像解析システムはALSOKが開発した。深層学習を利用したPKSHA Technologyの画像解析エンジン「Vertical Vision」を使い、防犯カメラの画像を解析する。

新丸の内ビルディングの防犯カメラ。以前から利用していたものをそのまま利用する
新丸の内ビルディングの防犯カメラ。以前から利用していたものをそのまま利用する
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 三菱地所は今回の新丸の内ビルディングのほか、自社が保有するビルにも将来的にこのシステムを展開していく計画だ。実証実験の前に約2カ月間、準備をしてきた。「この10日間で実際の防犯カメラの画像を使って警備を行うことで問題点を洗い出し、実際に運用する際の準備を進めていきたい」と三菱地所の担当者は話す。