TISは2018年1月22日、「Infrastructure as Code(IaC)」の推進団体「IaC活用研究会」の設立を発表した。IaCはプログラミングによってインフラ管理を効率化する手法だ。研究会は「低いと言われる日本の労働生産性を向上させるために、インフラエンジニアの生産性向上のためにIaCを推進する」(TIS)ことを目的に活動する。

 研究会を発足した理由についてTISは、「国内のシステム構築においてIaCの普及率がアーリーアダプターからアーリーマジョリティに移行しているタイミングになって来たため」と説明する。「IaCが『最近話題の新しい手法』から『SIにおいて当たり前に必要な要素』に変わる中で、業界間での横断的な意見共有の場が必要になってくると考え会を発足させた」(同)という。

 研究会はIaCを適用して実際に労働生産性を向上した事例や、IaCに利用することが多い構成管理などのツールなどの使い方、ノウハウの共有などを目指す。個別のツールに閉じずに総合的なプラクティスやケース分析など、組織の中でIaCを活用する際に必要な要素を研究対象としている。

 最終的にはIaCを推進することで、長時間労働の削減を目指す。「家族サービスなどのITエンジニアの個人時間の活用への関連と効果」や「業務効率と品質の向上効果」を指標する予定だ。

 主幹事はTISが務め、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を利用したステム構築を手掛けるリアルグローブや、サイオステクノロジーと共同運営する。協賛企業・団体としてインターネットイニシアティブ、エーピーコミュニケーションズ、ネットアップ、レッドハット、日本OpenStackユーザ会、オープンソース活用研究所が参加する。

 1回目の会合は1月23日に開催し、2回目以降は生産性を高める具体的な手法や指標の策定を議論していく。システム構築に携わるエンジニアは個人で参加できる。初年度100人以上の規模を目指す。