日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2017年1月19日、負荷テストサービス「HPE StormRunner Load」を強化したと発表した。機能面では、ユーザー環境からも負荷を簡単にかけられるようにDocker対応を実施したほか、テストシナリオを流用できるツールを拡充した。販売面では、同社のポータル経由だけでなくAWS Marketplaceからも購入できるようにした。

 HPE StormRunner Loadは、Webアプリケーションに対して多数のクライアントから一斉にアクセスして負荷をかけて応答時間などの性能を計測する、負荷テストツールである。Webサイト設計時のサイジング(容量設計)などに利用できる。特徴は、クラウド型で動作すること。AWS(アマゾンウェブサービス)のクラウド環境に多数のクライアントを生成して負荷をかけられる。

 今回の機能強化では、パブリッククラウド(AWS)だけでなく、オンプレミスなどのプライベートクラウド環境にもクライアントを配置して負荷をかけたい場合を想定し、負荷をかけるためのクライアントソフトであるロードジェネレーターを、Dockerの仕組みを使ってプロビジョニング(配備)できるようにした。

 従来は、プライベートクラウドから負荷をかけたい場合は、ロードジェネレーターをインストールしたマシンをプライベートクラウド側に用意しておく必要があった。今回のDocker対応で、プライベートクラウド側にDockerの実行環境を用意しておくだけでよくなった。クラウドからDockerのアプリケーションイメージでロードジェネレーターが配備される仕組み。

 この他の機能強化として、Apache JMeterとGatlingという二つのオープンソースの負荷テストツールで作成したテストシナリオを流用できるようにした。これらで作成したテストシナリオを使いつつ、AWSの仮想サーバーやプライベートクラウドのDockerで動作するロードジェネレーターを使って、大規模な負荷をかけられるようになった。