中古不動産流通サービス「Renosy」を手掛けるジーエーテクノロジーズは2018年1月19日、不動産物件を顧客に提案する業務を効率化したと発表した。機械学習によるレコメンドシステム「TECH SUPPLIER」を開発することで同社の従業員が提案物件を検索する時間を最大で55%削減した。首都大学東京と2016年8月から始めた共同研究の成果である。

 発表に先立つ1月18日に開いた説明会でジーエーテクノロジーズの樋口龍社長は「日本の不動産業界は他業界と比べてIT化が遅れている。将来的には社内向けに開発したシステムの外販を目指す」と話した。

ジーエーテクノロジーズの樋口龍社長
ジーエーテクノロジーズの樋口龍社長
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 不動産仲介業者から集まる物件情報をデータベースに登録しておく。TECH SUPPLIERは物件を価格や地域、広さなど顧客が指定する条件で絞った後、さらに物件ごとのスコアを計算して順位付けする。スコアの計算には物件情報のほかコンビニやスーパーの有無といった物件の周辺情報も利用する。スコアが高い順に物件を同社の営業担当に提示することで検索の手間を省く。

 TECH SUPPLIERは同社が自社開発したRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールも備える。仲介業者がPDF形式で送る物件情報を画像認識により自動でデータベースに登録するほか、一部の書類作成業務も自動化した。仕入れ業務にかかる工数が従来の3分の1になったという。