自動車をクラウドから遠隔制御する製品を手掛けるグローバルモビリティサービスは2017年1月18日、自動車の利用料金の支払いが滞ったら遠隔操作によってエンジンを起動できなくする製品について、どのようなことができるのかを体験できるトライアルパッケージを提供すると発表した。2017年2月1日から提供する。自動車販売時の与信コストを削減したいオートリース/ローン会社や銀行、販売台数を増加させたい自動車販売会社などに提供する。

トライアルパッケージの概要
トライアルパッケージの概要
(出所:グローバルモビリティサービス)
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 「MCCS」(遠隔通信制御機器)と呼ぶ車載デバイスと、MCCSを制御するクラウドサービスで構成する。MCCSは、自動車に後付けできる制御機器で、リアルタイムな自動車のデータや位置情報などをクラウドに転送できるほか、クラウドからの遠隔操作によってエンジンの起動/停止や車速などを制御できる。搭載しているモバイルデータ通信モジュールを使ってクラウドと通信する。

 MCCSを活用したビジネスモデルの一つが、自動車ファイナンスの与信審査を不要にするというもの。オートローン会社やオートリース会社への月額料金の支払いが滞納した際にエンジンを遠隔で自動的に停止できるので、与信に掛かるコストを削減できる。これまで与信に通らず自動車が買えなかった人でも自動車に乗ることができるようになる。

 利用料金の未納・滞納の情報を基にエンジンを停止したり、あらかじめ定めたエリアの外部に出た場合にエンジンを停止したりできる。同時に、利用者のスマートフォンなどに、未払いにより制御をかけた旨や入金を促す旨の通知を行える。現在位置をリアルタイムで検知することによって、未納金や自動車を回収しやすくする。

 今回、MCCSとクラウドサービスを組み合わせたトライアルパッケージを用意した。MCCSの提供、車両へのMCCSの取り付け、クラウド上に用意する専用Web管理画面の提供、利用方法のレクチャー、などで構成する。提供期間は最大3カ月。メールまたはファクスで申し込む。