米App Annieが現地時間2017年1月17日までにまとめた世界のモバイルアプリ市場に関するリポートによると、2016年はダウンロード件数、利用時間、収益がいずれも前年から増加した。市場は引き続き成長しており、モバイルアプリ経済には依然、強い勢いがあると報告している。

 2016年における、米Appleの「App Store」と米Googleの「Google Play」を合わせた年間ダウンロード件数は、前年から約130億件増え、900億件を突破した。App Annieによると、この成長軌道は2015年のそれとほぼ同じ。2015年と同様にダウンロード数増加の多くは新興国市場におけるGoogle Playの実績によるものだが、App Storeのダウンロード数も前年から増えた。同アプリストアのダウンロード数増加のほぼ8割は中国市場がもたらしており、App Storeが伸びた背景には中国市場の成長があると、App Annieは指摘している。

 また、Androidスマートフォンユーザーのアプリ総利用時間は、前年から25%増え約9000億時間に達した。Androidスマートフォンユーザーは1日当たり平均2時間アプリを利用している計算になるという。アプリで最も利用時間が多かったのはメッセージングとソーシャルメディアのカテゴリー。しかしショッピングや、動画ストリーミング、旅行といったカテゴリーも利用時間が増えているという。

 2016年にアプリストアが得た収益は、前年比40%増の約350億ドル(約3兆9600億円)となった。このうちAppleのApp Storeは前年比で約50%増え、「最も収益を創出するアプリストアとして、他社との差を広げた」(App Annie)。App Storeはアプリのダウンロード数と同様に、収益増加の多くが中国市場によって支えられている。その収益増加分の50%近くは同国市場がもたらしているという。

 このほか、前年に続き収益が最も多かったカテゴリーはゲームだった。App Storeでは収益の75%を、Google Playでは同90%をゲームアプリが占めている。また2016年は米Nianticの「ポケモンGO」が爆発的なヒットを記録し、これがモバイルアプリ市場全体に影響を与えたという。同アプリへの消費者支出額はリリース後110日で8億ドル(約904億円)に達し、2016年末時点では9億5000万ドル(約1074億円)を超えた。この成長ペースは、過去に最も成功したモバイルゲームのそれよりも速いとApp Annieは指摘している。

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