シスコシステムズは2018年1月17日、日本の中小企業向けに提供する製品ブランド「Cisco Start」について戦略説明会を開いた。働き方改革のIT投資需要を追い風に、従来より安価に製品を提供するなど攻勢をかける。

 同社によればCisco Startブランド製品の2017年8月期までの年度売上高は約2.4倍に拡大した。特にスイッチ製品「Catalyst」シリーズの販売数が増えた。「4万円台で提供する製品などが好調だ。高品質なシスコ製品を安価に利用できるニーズを捉えている」と高橋慎介パートナー事業統括専務執行役員は話す。

シスコシステムズの高橋慎介専務執行役員
シスコシステムズの高橋慎介専務執行役員
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 販売数増を狙い市場想定価格1万円台で購入できる新製品を投入する方針も明らかにした。無線LANアクセスポイントの「Cisco WAP125」だ。無線LAN規格IEEE 802.11acに対応する。顧客が選択できる製品ラインナップを増やす。

 これまで提供してきたネットワーク製品の価格帯も「平均で10%安く提供する」(高橋専務執行役員)という。高橋専務執行役員によれば「例えば4万円台で提供してきたCatalystのローエンドモデルは3万円台で提供する。20%以上安くなる製品もある」という。

 ブランド戦略や販売体制も強化する。2017年12月には、卓球の石川佳純選手、張本智和選手とそれぞれ、競技活動を支援する「アスリートアンバサダー契約」を締結したと発表済み。スポーツ競技でのIT活用を進めて認知度向上を狙う。

 2017年8月には販売体制を刷新し、地域別の営業組織を置いた。それまでは公共分野向けと中小企業向けに別々の組織を置いていたという。