情報通信研究機構(NICT)が主導し、オムロンやNECなど関連企業が参画して工場内のIoT(インターネット・オブ・シングズ)導入を推進する「Flexible Factory Project」は2017年1月17日、日本国内の5工場で実施した実証実験の成果を発表した。工場内の機器を無線ネットワークでつなぎ、生産設備の「見える化」を目指すときに、スムーズな無線通信を阻害する要因を明らかにした。

写真●NICTがオムロンやNECなどと共同で実施した実証実験の様子
写真●NICTがオムロンやNECなどと共同で実施した実証実験の様子
(出所:NICT)
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 工場内の機器をネットワークで接続する際、有線ケーブルよりも柔軟に設備を動かしやすいメリットがある無線通信は有用とされる。ただし、オフィス内に比べて無線通信を阻害する要因が多い。NICTの実証実験では、工場内での無線利用の事例を蓄積・分析し、ネットワーク運用の実践的ノウハウを抽出することを目指した。

 NICTは2016年3月から、三菱重工工作機械の本社工場(滋賀県栗東市)、トヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)と同社高岡工場(同)など、稼働中の5工場で実証実験をした(写真)。工場に無線通信機器を持ち込み、実地で通信状況を評価した。