みずほ銀行と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2017年1月16日、複数のロボットが連動して資産運用の説明をする体験コーナーをみずほ銀行八重洲口支店に設置した。ロボットを動かすシステムはCTCのロボット利用のための開発支援サービス「RoBo-LAB」を使って開発した。2017年2月17日まで公開する。

みずほ銀行八重洲口支店に設置された資産運用の説明コーナーの様子。左から「Pepper」「Sota」「NAO」
みずほ銀行八重洲口支店に設置された資産運用の説明コーナーの様子。左から「Pepper」「Sota」「NAO」
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 みずほ銀行とCTCはコーナーに3種類のコミュニケーションロボット「Pepper」、「NAO」(どちらもソフトバンクロボティックス製)、「Sota」(ヴイストン製)を設置する。3種類のロボットはネットワークを通じて連動している。Sotaは顔認識機能を使い、利用者の年齢を推定。PepperとNAOは利用者の年代ごとに「海外の金利動向」や「将来のお金の準備」など資産運用について、会話をするように説明する。

 CTCはRoBo-LABで使う独自の開発基盤「ロボット&IoTプラットフォーム」により、短期間でロボットを動かすシステムが開発できるとする。同基盤はロボットごとの動作や機能をマウス操作で設定可能で、プログラミングが不要だ。開発手法が異なる別種のロボットを同じ画面から設定できるので、ロボット同士が連動するシステムを開発しやすいという。今回の資産運用を説明するシステムの開発期間は1週間だった。

 ロボットの動作はCTCが設定し、ロボットが話す内容や表示する画像などはみずほ銀行が提供した。CTCの松崎雅浩イノベーション推進室シニアマネージャーは「よく使う動作をプラットフォームのメニュー化していけば、話す内容などのコンテンツを作るだけでシステムが開発できるようになる」と展望を話した。ロボット&IoTプラットフォームが対応するロボットは、今回設置する3種類。「Amazon Alexa」などの音声アシスタント端末への対応も検討するという。

伊藤忠テクノソリューションズの松崎雅浩イノベーション推進室シニアマネージャー
伊藤忠テクノソリューションズの松崎雅浩イノベーション推進室シニアマネージャー
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 みずほ銀行は体験コーナーの設置を、複数ロボットを連動して動かす実証実験と位置付ける。みずほフィナンシャルグループの松井史歩インキュベーションPTシニアデジタルストラテジストは「2年以内を目標に、口座作成など手続き業務の一部顧客対応をロボットで無人化したい」と話した。

みずほフィナンシャルグループの松井史歩インキュベーションPTシニアデジタルストラテジスト
みずほフィナンシャルグループの松井史歩インキュベーションPTシニアデジタルストラテジスト
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