Amazon.comが無線技術に関する秘密の実験を行うため、米連邦通信委員会(FCC)に電波使用の許可を求める申請書を提出したと複数の米メディア(米Business Insider米The Verge米SlashGear)が現地時間2017年1月15日までに報じた。

 申請書には「革新的な通信性能と機能を裏付けるために設計された試作機をテストする」と記載されているが、実験の具体的な内容は記されておらず、Amazonの目的については分かっていない。しかし担当者の欄に同社のドローン配送プロジェクト「Prime Air」のシニアマネジャーを務める、元米航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士、Neil Woodward氏の名があることから、ドローンに関する実験が目的ではないかとBusiness Insiderなどは伝えている。

 報道によると、実験はまず、ワシントン州シアトルのAmazon本社屋施設内で行い、その後シアトルから約350キロメートル離れた同州の都市、ケニウィックで行う。実験には仮のベーストステーションと関連のモバイル機器を使う。電波が届く範囲は半径5キロメートルで、1時間当たり平均5分間、電波を送信するという。

 Amazonは先ごろ、英国で一部の顧客を対象にしたドローン配送の実験を始めており、今回の実験もドローンに関連する可能性が高い。また昨年12月末には、上空を飛ぶ飛行船を倉庫として利用し、ドローンで地上に商品を配達する構想に関する特許を同社が取得したと伝えられており、実験はこれに関連する可能性もあると、SlashGearは伝えている(関連記事:Amazon.com、顧客を対象にしたドローン配送の実験を英国で開始)。