米Microsoftは現地時間2017年1月13日、人工知能(AI)研究のカナダMaluubaを買収することで合意したと発表した。買収額などの条件については明らかにしていない。

 Maluubaはカナダのモントリオールに本拠を置き、自然言語処理のディープラーニングを研究している。人間と同じように文章を理解し、思考・推論して、質問に答えたり意思決定を支援したりするシステムの構築に取り組んでいる。AIをより一般的なものにすることを目的とし、「我々の目指す“AIの民主化”と合致する」と、MicrosoftのAI and Research Group部門担当執行バイスプレジデントのHarry Shum氏は述べている。

 Microsoftは昨年9月に、AI技術を用いた製品およびサービスに注力するAI and Research Groupを設立した(関連記事:MicrosoftがAI部門を新設、CortanaやBingをMicrosoft Researchと統合)。同部門はMicrosoft Researchの一部と、「Information Platform」グループ、「Cortana」および「Bing」チーム、「Ambient Computing」チーム、「Robotics」チームを統括する。

 Maluubaの研究成果の活用に関してMicrosoftは、「社内の組織図や資料、電子メールを慌てて検索する代わりに、AIエージェントに社内の税法専門家は誰か尋ねてすぐに見つけ出す」といった例を挙げている。

 Maluubaのアドバイザーで、モントリオールのAI研究機関Montreal Institute for Learning Algorithms(MILA)の責任者でもあるYoshua Bengio氏も、今後アドバイザーとしてMicrosoftのAI研究に関わっていくという。

 Maluubaは昨年、人間に近い能力でテキストを読んで理解するシステムの開発について発表し、その性能は米Googleや米Facebookにおける同様のシステムを上回ると伝えられた(The Vergeの情報)。

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