日立製作所は2017年1月16日、統合システム運用管理の新版「JP1 V11.1」を1月17日に販売開始すると発表した。ジョブの運用状況を管理する「JP1/Operations Analytics(JP1/OA)」の強化に加え、昨年7月のServiceNow Japanとの協業に基づき「運用最適化ソリューション」を新たに提供。「ビジネスのデジタル化が進むなか、高度化するサービスを支える業務基盤として強化した」。ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の加藤恵理氏はV11.1のコンセプトをこう説明する。

 JP1/OAは、システムの稼働状況を把握、分析し、安定運用を支援する製品。従来のサーバーやストレージ、ネットワークに加え、業務(ジョブ)やDBなどを監視対象とした。業務とITインフラをひも付けて把握できるようにし、システムの安定稼働や、障害時の原因究明などが容易になる。

写真1●業務とITインフラをひも付け可能にした「JP1/Operations Analytics」
写真1●業務とITインフラをひも付け可能にした「JP1/Operations Analytics」
(出所:日立製作所、以下同)
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写真2●システム運用管理のKPIを見える化
写真2●システム運用管理のKPIを見える化
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 運用最適化ソリューションは、ジョブ運用管理製品「JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)」が管理するジョブ運用プロセスの最適化を図る。運用部門の管理者向け、および担当者向けに機能を用意。前者に対しては、システム運用管理のKPI(重要業績評価指標)を見える化し、作業改善を支援する。「ServiceNow」の画面に表示する、システムの稼働率や作業期限の順守率といったKPIは、ユーザーがカスタマイズ可能だ。

 運用部門の担当者に対してはJP1/AJS3のテンプレートを提供し、定例作業を標準化したり自動化したりして、作業品質を高める。「どのプロセスを自動化するか、KPIとして何を表示するかなどには、JP1/AJS3の運用で培ったノウハウをつぎ込んだ」(加藤氏)。

 JP1/AJS3の機能も強化した。Webコンソール画面にガントチャート表示を追加。過去にさかのぼってジョブの稼働実績を比較できるようにした。またAmazon Web Services(AWS)上でエージェントをオートスケールさせた場合も、ジョブの定義を修正することなく全エージェントによる同時実行が可能になった。