米Amazon.comは現地時間2017年1月12日、今後1年半で米国において10万人以上のフルタイム従業員を雇用する計画を発表した。

 Amazon.comが本社を構えるシアトルに限らず、米国各地にいるあらゆる経験や学歴、スキルを持つ人材を対象にする。エンジニアやソフトウエア開発者の中途採用だけでなく、新卒採用も行う。

 多くは、テキサス州やカリフォルニア州、フロリダ州、ニュージャージー州に建設中の配送センターに配属される。そのほか、機械学習やクラウド技術、高度ロジスティクスといった部門も挙げている。

 同社の従業員数は2011年に3万人だったが、2016年末時点で18万人と、過去5年間で15万人増えた。2018年半ばには28万人を超える規模になる見込み。

 さらに同社は、EC事業がオンライン小売販売の立ち上げや拡大を促進しており、一般の人に商品配達を依頼するプログラム「Amazon Flex」も合わせて、間接的な雇用も生み出しているという。

 Donald Trump次期米大統領が国内の雇用を増やすよう企業に強く求めている中、今回のAmazon.comの発表は、Trump氏との緊張した関係を緩和することになるかもしれないと米BusinessInsiderは報じている。

 Trump氏は選挙期間中、Amazon.comのJeff Bezos最高経営責任者(CEO)が税金逃れのためにWashington Post紙を利用していると非難し、当選したら独占禁止法違反で調査するなどと攻撃。両者は激しい対立関係にあった。しかしTrump氏が当選後に多数の技術リーダーを招いて開催したハイテク会議にBezos氏も出席し、「たいへん実りあるものだった」と感想を述べていた(関連記事:トランプ次期大統領とハイテク幹部、雇用や経済成長について会談)。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)によると、Amazon.comの発表を受け、Trump氏の広報担当者は「Amazon.comの決定になんらかの役割を果たしたとしてTrump氏は喜んでいる」と述べた。

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