店舗での買い物履歴をスマートフォンのアプリで管理できる「電子レシート」に関して、経済産業省が複数の業態に共通する標準規格を2018年2月以降に策定することが2018年1月12日に分かった。小売りやコンビニエンスストアなどに標準規格の採用を呼び掛け、事業者に購買履歴データの活用を促す。

 電子レシートはディスカウントストアのドン・キホーテなど一部の小売店が既に導入しているが、データフォーマットは各社ばらばらで、利用者も企業も使い勝手に難があった。この課題に対し、「電子レシートの標準規格を策定して、各社が導入すると、消費者は複数の店の購買履歴を1つのアプリで管理できるようになる」(経産省の担当者)。

 小売り事業者にとっては購買履歴データ活用の基盤が整う。経産省が想定する電子レシートに関するデータ活用のイメージは次の通りだ。(1)消費者が買い物するたびに電子レシートアプリに購買データがたまる。(2)事業者は店舗で使えるポイントといったサービスの提供と引き換えに、消費者があらかじめ決めた範囲内で個人情報や購買履歴データを取得する。(3)事業者は他社分を含む消費者の購買履歴を把握できるようになり、商品開発や店舗の品ぞろえ、サービスなどに生かせる。

 経産省は2018年2月に東京都町田市で電子レシートの実証実験を実施し、結果を踏まえて標準規格を策定する。実証実験は東急ハンズやドラッグストア、コンビニ、スーパーマーケットなど約30店舗が参加。電子レシートアプリは東芝テックが開発する。