米Gartnerは現地時間2017年1月11日、パソコンの世界市場に関する調査結果(速報値)を発表した。2016年の世界パソコン出荷台数は2億6970万台となり、2015年と比べ6.2%減少した。2012年以降、5年連続で前年実績を下回り、2007年の水準まで低下しているという。

 Gartnerは、パソコン市場が広範囲にわたって停滞している背景として、技術の向上が市場成長を促すほどの要因になっていないことを指摘している。2-in-1などの革新的なフォームファクターの登場や、バッテリー寿命の延長といった技術の進歩は熱心なパソコンファンに歓迎されているが、そうしたパソコン愛好家は市場全体の成長をけん引するほどの規模ではない。

 2016年第4四半期(10~12月)の世界出荷台数は7260万台で、前年同期と比べ3.7%減少した。出荷台数ベースのシェアを見ると、メーカー首位は中国Lenovo Group(聯想集団)でシェア21.7%を獲得、米HP Inc.がシェア20.4%で2位となった。以下、米Dellが14.8%、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)と米Appleがそれぞれ7.5%、台湾Acer(宏碁)が6.0%で続いた。明るい材料としては、上位6社のうち4社が1年前より出荷台数を拡大した。

 一方、米IDCが同日発表したパソコン市場関連の調査結果(速報値)によると、2016年の世界パソコン出荷台数は2億6000万台で、2015年と比べ5.7%減少した。2016年第4四半期の世界出荷台数は前年同期を1.5%下回る7020万台だった。

 IDCの調査による第4四半期のメーカー別出荷台数シェアは、Lenovoが22.4%で1位、HP Inc.が21.7%で2位だった。以下Dellが15.7%、Appleが7.5%、ASUSが7.4%と続いた。

 なお、Gartnerが同調査で定義する「パソコン」には、デスクトップパソコンとノートパソコンのほか、同社が「Ultramobile Premium」と呼ぶ機器(Surfaceなど)が含まれるが、ChromebookやiPadは対象外とする。一方、IDCの調査では、デスクトップパソコン、ノートパソコン、ワークステーションを対象とし、タブレットは含まない。

[発表資料(Gartner)]
[発表資料(IDC)]