英Kantar Worldpanelが現地時間2017年1月11日に公表したスマートフォンの世界販売統計によると、2016年9~11月期は引き続き米Appleの「iPhone」が世界のほとんどの地域で販売台数を伸ばした。OS別販売統計で「iOS」のシェアが最も高かったのは日本(57%)で、これに英国(48.3%)、オーストラリア(46.4%)、米国(43.5%)と続いた。これらの国でiOSのシェアは前年同期から上昇した。Appleが2016年9月に発売した「iPhone 7」「同7 Plus」がAppleのシェア拡大につながったとKantar Worldpanelは報告している。

 このうち、米国市場におけるiOSのシェアは、前年同期の37.1%から6.4ポイント上昇。この期間の米国における機種別販売ランキングでは「iPhone 7」「同7 Plus」「同6s」が上位3機種に入り、これら3モデルの合計シェアは31.3%となった。これに韓国Samsung Electronicsの「Galaxy S7」と「同S7 edge」が4位と5位で続き、Samsungの米国におけるシェアは28.9%となった。

 一方、米国では「Android」のシェアが55.3%となり、前年同期から5.1ポイント低下した。Kantar WorldpanelによるとAndroidのシェアはこれで6期連続して低下した。ただしGoogleの新型スマートフォン「Pixel」は1.3%のシェアを獲得しており、販売が好調という。

 世界では多くの国でAndroidが70%以上のシェアを占めており、同OSは依然スマートフォンOS市場を支配している。このうち、中国の2016年9~11月期におけるAndroidのシェアは前年同期から7.2ポイント拡大し、79.9%となった。これに対しiOSは同5.4ポイント低下して19.9%。

 そうした中、中国市場でもiPhone 7シリーズは健闘したと、Kantar Worldpanelは報告している。同国の都市部では、iPhone 7が機種別販売ランキングで6.6%のシェアを得て首位となり、急成長するOppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の「R9」(シェア4.7%)を上回った。

 欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)を見ると、2016年9~11月期は、Androidのシェアが前年同期から1.7ポイント上昇して72.4%に、iOSは同2.8ポイント上昇して24.6%になった。これはWindowsのシェアが同4.1ポイント低下し、2.8%にまで落ち込んだことが主な要因とKantar Worldpanelは報告している。また、欧州においても、iPhone 7の市場投入がiOSのシェア拡大につながったと同社は指摘している。同社のDominic Sunneboディレクターは、「Appleは常に年末商戦時期が好調だ。しかし新モデルに対する需要の高まりが2017年1~3月期まで続くかどうかは今のところ分からない」と述べている。

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