米Facebookは現地時間2017年1月11日、報道の品質向上を支援する取り組み「Facebook Journalism Project」を発表した。ニュース業界とFacebookのより強い連携を構築し、記者や編集者へのツール提供、メディアリテラシー向上に注力する。

 Journalism Projectでは、3つの取り組みを主な柱とする。1つ目はニュースプロダクトの共同開発。報道機関との連携を深め、ニュース関連プロダクトの開発で早い段階から協力する。既存のライブ動画や360度動画、「Instant Articles」などを発展させ、報道機関のニーズに対応しつつ、ユーザーにより詳しい情報を伝えるニュースフォーマットを開発する。すでに複数のパートナーと早期テストを開始しているという。

 報道機関のビジネスモデル構築でも協力し、ドイツ紙「BILD」はInstant Articles内で無料の購読トライアルをテスト提供する。

 2つ目はジャーナリスト向けトレーニングおよびツールの提供。数カ月以内にジャーナリズムのオンライン学習コースをFacebook上で開始する。また、Facebook上での情報収集やニュース配信、読者確保のためのベストプラクティスに関するトレーニングをローカルニュース編集室向けに提供する。さらに、最近買収したコンテンツパフォーマンスの測定ツール「CrowdTangle」を提携メディアが無償で利用できるようにする。

 3つ目はユーザー向けのトレーニングおよびツールで、読者がニュース記事について適切な判断を下すための新たな手段の提供を目的とし、ジャーナリストや教育者、研究者らと協力する。また同社は、先日発表した虚偽ニュース排除の取り組み(関連記事:Facebookが虚偽ニュース対策を試験運用、疑わしい記事に目印)の継続も強調し、虚偽が疑われるコンテンツを検証する外部組織との協力プログラム開始を明らかにした。

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