三菱UFJニコスは2018年1月9日、昨年12月26日に発生したNICOSカードのシステム関連機器の一部が故障したことで発生した障害について、影響範囲や原因などをまとめて公表した。同社は年内から影響範囲や原因などを順次Webサイトに掲載してきたが、全体の影響範囲が見えてきたことに加えて対応窓口(特設デスク)開設の目処がついたことから、まとめて発表することにしたものである。

三菱UFJニコスのWebサイトに重要なお知らせとして掲載されたシステム障害の影響範囲や原因などをまとめた文書
三菱UFJニコスのWebサイトに重要なお知らせとして掲載されたシステム障害の影響範囲や原因などをまとめた文書
(出所:三菱UFJニコス)
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 システム機器故障の主な影響は次の通り。まずNICOSカード会員への影響は大きく6点。(1)カード会員の利用内容など確認業務に関わるシステムの一時停止、(2)カード発行に関わる業務の遅延、(3)キャッシングサービスの一部利用停止と制限、(4)カード会員への利用代金請求に関わる業務での一部不具合、(5)ポイントサービスにおける不具合、(6)各種送付物の一部遅延――である。クレジットカードのショッピング利用には基本的に影響はないという。

 加盟店、提携先、カード事業や代金収納を委託した事業者などへの影響は大きく4点。(1)加盟店への立替払い金における振り込みの一部遅延、(2)提携先や受託事業者の顧客利用データ送信業務などの一部遅延等、(3)加盟店で使っている他社発行クレジットカードやデビットカードなどの利用内容の二重表示と、二重引き落としされているケースが一部で確認されている、(4)外部信用情報機関への会員情報の送信遅延――である。

 今回のシステム障害は、カード会員や加盟店などとの取引内容を保管しているシステム機器(記憶装置)が故障し、三菱UFJニコスが作成・加工したデータの一部が毀損したことが原因だという。カード会員や加盟店などに関する「マスターデータ」に影響はなく、サイバー攻撃によるものではないとしている。顧客情報が流出する可能性もないという。システム機器は交換済みだが、故障・遅延の影響で12月26日から日次のデータ処理工程で業務が滞留し、会員からの照会業務や売上処理の入力業務などのシステムが平常通りに立ち上がらない状態になっていたという。1月4日からシステムをおおむね正常に立ち上げているが、慎重を期するため時間を制限して運用しており、業務遅延解消まで時間を要しているとしている。