経済産業省と東京証券取引所は2018年1月9日、ITを戦略的に活用して競争力の強化に取り組む企業を選定する「攻めのIT経営銘柄2018」の選定方法に関する説明会を開催した。新たに、情報システムの刷新に関わる取り組みを評価項目とする。

 東京証券取引所に上場する企業3573社のうち、Webアンケートに回答した企業が選定対象となる。アンケート項目には選択式と記述式がある。回答期限は2018年2月9日まで、選定結果は同年5月に発表する。選定プロセスは次の通りだ。まず選択式の回答内容と回答企業のROE(株主資本利益率)を基に、選定の基準となるスコアを算出する。そして「攻めのIT経営委員会」が記述式の内容を加味して対象企業を選ぶ。

 従来と異なるのは情報システムの刷新を記述式の評価項目に取り入れた点だ。アンケートでは老朽化やブラックボックス化など問題のある情報システムを「レガシーシステム」と定義し、企業はレガシーシステムを刷新した目的や時期、手段や工夫を回答する。

 「経営戦略とITが不可分になりつつある。レガシーシステムの刷新なくして企業は人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を十分に活用できない」。説明会で経済産業省の中野剛志商務情報政策局情報技術利用促進課長は評価項目を追加した狙いをこう話した。

経済産業省の中野剛志商務情報政策局情報技術利用促進課長
経済産業省の中野剛志商務情報政策局情報技術利用促進課長
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 「攻めのIT経営銘柄」の選定は2015年に始まり2018年で4回目となる。2017年はアンケートに回答した382社から31社が選ばれた。(関連記事:経産省が「攻めのIT経営銘柄2017」を発表、清水建設など31社を選定