日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)は2017年1月5日(米国時間)、「CES 2017」の基調講演において、同社の簡易自動運転機能である「プロパイロット」の展開計画を明らかにした。同社は、近く発売する予定の電気自動車(EV)「リーフ」の新型車にプロパイロットを搭載するほか、ルノー・日産アライアンスとして、日本や欧州、中国、米国などの市場で、2020年までに10モデル以上に搭載する予定という。

 プロパイロットは、日産が2016年8月に発売した新型「セレナ」に初めて搭載したレベル2の自動運転機能である。高速道路で同一車線内であれば、自動でハンドルやアクセル、ブレーキを操作し、車線維持や先行車追従、緊急ブレーキなどの機能を実現する。

CES2017での日産自動車の展示ブース
CES2017での日産自動車の展示ブース
(出所:日産自動車)
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日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)
日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)
(出所:日産自動車)
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自動運転に向けた都市づくりプロジェクトにも参画

 日産は、自動運転やEV、新しいモビリティーサービスの普及に向けて、米ロックフェラー財団が推進する「100レジリエンス都市」プロジェクトに参画することも明かした。同プロジェクトは、都市が抱える交通やインフラ、エネルギーなどに関わる課題の解決を目指すものだ。日産は今後、特定の都市で自動運転車やEVなどのゼロエミッション車の普及、「Vehicle to Grid(V2G)」といった電力融通など新しいモビリティー技術の実証実験を進めていくという。

 ゴーン氏は「将来のモビリティ社会において、最大の変化は車の中や企業ではなく、世界の各都市で起きる」と述べ、社会全体で交通課題を解決していく考えを示した。