米Ford Motorは現地時間2017年1月4日、かねて発表していた米Amazon.comとの連携について、具体的な計画を明らかにした。連係サービスを利用すれば、Ford車のオーナーは、車の中からAmazonのAI(人工知能)音声アシスタントサービス「Alexa」を介して家電を操作したり、自宅に居ながら車を制御したりできるようになる。

 FordとAmazonは昨年1月、両社が音声アシスタント分野で提携し、Fordの音声操作システム「SYNC」とAmazonのAlexaを連携させると発表していた。今回は、より具体的なサービス提供時期を明らかにした。

 サービスの提供は2段階に分けて進める。第1段階となる「Alexa at home」は2017年1月中に始める。電気自動車(EV)の「Focus Electric」、プラグインハイブリッド車の「Fusion Energi」と「C-Max Energi」を対象にする。

 これらの車種のオーナーは、自宅から「Amazon Echo」「Echo Dot」「Amazon Tap」などのAlexa対応アシスタント端末に音声で命令することで、車を操作したり、充電状況などを確認したりできるようになる。

 具体的には、エンジンの始動・停止、ドアの施錠・解錠、燃料やバッテリー残量と走行可能距離の確認などが可能になる。例えば「現在の走行可能距離を教えて」と命令すれば、Alexaは「バッテリー残量は83%です。電気走行では27キロメートル、ガソリン走行では348キロメートル、合計375キロメートルの走行が可能です」などと答えるという。

 第2段階は今夏に始める予定の「Alexa on the go」。Fordの音声操作システム「SYNC 3」搭載車が対象となる。こちらは、ハンドル部分に設置されている音声認識ボタンを押すと、Alexaに対してさまざまな命令が可能になる。

 利用できる機能やサービスは、店舗など目的地の探索とそのルート表示、ニュースや音楽の再生、Amazonのショッピングカートへの商品追加など。このほかAlexaに対応したスマート家電の操作も可能。玄関ポーチの照明点灯やガレージドアの開閉、ホームセキュリティシステムの操作などができるとしている。

[発表資料(2017年1月)]
[発表資料(2016年1月)]