キヤノンマーケティングジャパンは2017年1月10日、同社が提供するITアウトソーシングサービス群「HOME」のなかで、ビジネスチャット機能を新たに提供すると発表した。提供開始は2017年1月11日から。

1月11日から提供を開始する「type-AP」のビジネスチャット画面。複合機に届いたファクシミリ文書のサムネイル画像が見える
1月11日から提供を開始する「type-AP」のビジネスチャット画面。複合機に届いたファクシミリ文書のサムネイル画像が見える
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 今回追加するビジネスチャットの大きな特徴は、キヤノン製の複合機との連携機能を備えていること。複合機に届いたファクシミリやスキャンした文書データを、クラウドを経由してスマートフォンにプッシュ通知。HOMEのビジネスチャット画面にも、届いた文書データのサムネイル画像が自動表示される。この画像をタップすると、文書データの詳細を確認できる。

複合機とビジネスチャットを連携させて活用するイメージ
複合機とビジネスチャットを連携させて活用するイメージ
資料提供:キヤノンマーケティングジャパン
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 HOMEは同社が2009年から、主に中小企業に向けて提供している月額料金制のサービス群。セキュリティ機器のUTMをオフィス内に設置して監視するネットワークセキュリティサービスや、MDM(モバイルデバイス管理)サービス、グループウエア機能を提供する「コラボレーションウエアサービス」などからなる。運用管理の代行を含めたサポートサービスを充実させていることもあり、470社のパートナー企業を介して4万社が利用している。

 ビジネスチャット機能は、中小企業のワークスタイル変革を支援することを狙って追加した。中小企業の経営者は、取引先訪問などで多忙なことが多い。今回提供するビジネスチャットを使えば、他の社員とのコミュニケーションを円滑に図れるとする。

 「オフィスの複合機でスキャンした文書データを、出先にいる経営者がスマホですぐに確認できる。それを見てすぐにチャットで、文書に関する対応指示を社員に出せる」とキヤノンマーケティングジャパンの滝口直樹BSマーケティング統括本部BSソリューション企画本部SMBクラウド企画部HOME企画課課長は説明する。

オフィスの複合機で文書をスキャンすると、出先からでも、スマートフォン上で新着の確認や文書の確認ができる
オフィスの複合機で文書をスキャンすると、出先からでも、スマートフォン上で新着の確認や文書の確認ができる
資料提供:キヤノンマーケティングジャパン
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 このビジネスチャットは、HOMEのなかのコラボレーションウエアサービス「type-AP」の1機能として提供する。type-APは、HOMEのグループウエアクラウドサービス「HOME-PORTAL」を2017年1月11日にリニューアルするもの。スケジュール管理や設備・備品管理、掲示板、クラウドストレージといった従来機能に、ビジネスチャット機能やタスク管理機能を加えたり、ユーザーインタフェースを見直したりして、type-APとしてリニューアルする。

 type-APのビジネスチャット機能は、新たに加えたタスク管理機能とも連携可能にする。具体的には、タスク管理機能に登録してあるタスクを、ビジネスチャット上でも確認できるようにする。

 「メールで、タスクの依頼や管理をすると、他のメールに埋もれがちになり、検索するなど手間がかかる。type-APではその手間をなくせる」とキヤノンマーケティングジャパンの石倉健BSソリューション企画本部SMBクラウド企画部クラウドサービス運用企画課チーフはメリットを語る。

 type-APの月額料金は、管理ユーザー1人と一般ユーザー5人で利用する場合、3200円。従来のHOME-PORTALと同額にしている。初期費用は1万2000円。提供を開始後、2017年いっぱいで1000件の受注を目指す。なお、これまでHOME-PORTALを使っていた企業も2017年2月以降から、type-APを使えるようにしていくという。

 HOMEではこのほか、2017年3月に、業務で使うスマートデバイスの機器管理やセキュリティ管理を行うMDMサービスもリニューアルする。リニューアル後のMDMサービス名は「HOME type-AM」。リニューアルに合わせて、紛失したスマートデバイスを遠隔で使えなくしたり、データを削除したりする運用支援サービスを追加する。深夜でも休日でも、専用コールセンターに連絡すれば、顧客企業の管理者に代わって、データ削除などの作業を遠隔で実施する。初期費用は1万円、料金は月額5000円から。