オランダNXPセミコンダクターズの日本法人は2017年1月5日、米グーグルのIoTデバイス向けOS「Android Things」に対応した開発環境の提供を開始したと発表した。開発キットにNXPの「i.MX 6UltraLite (i.MX 6UL)」アプリケーション・プロセッサを搭載し、i.MX 6ULの各種機能を活用できる。メーカーやOEM企業が、ポータブル機器やウエアラブル機器などAndroidベースのIoTデバイスを迅速かつ安価に開発できるようにする。

 NXPは同社のプロセッサとグーグルのAndroid Thingsを組み合わせることで、これまで大変だったプロセッサ周りのソフトウエア開発を容易にできるという。NXPはAndroid Thingsの認証済みSOM(システム・オン・モジュール)を提供しており、カーネルからアプリケーションまでを一から構築する必要がなくなる。NXPは2015年頃から、グーグルのIoTプラットフォームのパートナー企業としてハードウエア開発に取り組んでいたという。

 開発環境は、バグ修正や自動アップデート、Androidフレームワークへの容易な統合、デベロッパーのコード配置/試験へのアクセスなどをデバイス上で可能にするGoogle認証済みのファームウエアなど、様々な機能を備える。開発キットのボードは、既に台湾TechNexionと印VVDNテクノロジーズがそれぞれ提供している。

NXP Semiconductors の「i.MX 6ULプロセッサ」を搭載する台湾TechNexionの「PICO-iMX 6ULボード」
NXP Semiconductors の「i.MX 6ULプロセッサ」を搭載する台湾TechNexionの「PICO-iMX 6ULボード」
(出所:オランダNXP Semiconductors)
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 2016年10月にNXPの買収を発表した米クアルコムも、2017年にも同社のモバイル向けプロセッサ「Snapdragon」にAndroid Thingsを組み込む予定だ。