インテルは2017年1月4日、「Kaby Lake」との開発コード名で呼ばれていた第7世代Coreプロセッサーの新製品を発表した。これまで同社はモバイルノートPC向けに第7世代Coreを提供してきたが、新たに高性能ノートPC向けやデスクトップPC向け、モバイルワークステーション向けのXeonなどをラインアップに追加した。

インテルが第7世代Coreのラインアップを拡張。デスクトップPC向けや高性能ノートPC向けを加えた
インテルが第7世代Coreのラインアップを拡張。デスクトップPC向けや高性能ノートPC向けを加えた
(出所:インテル)
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 第7世代Coreは、インテルのPC向け主力CPU。CPUの演算部分(CPUコア)のアーキテクチャーは第6世代Core(開発コード名はSkylake)からほとんど更新していないが、内蔵するグラフィックス機能を強化した。描画性能を引き上げたほか、「VP9」や「HEVC」といった4K動画などに使われる形式(コーデック)の伸長/圧縮の高速化機能を備える。製造プロセスは14nm。第6世代の14nmプロセスから改良したという。

 最大4個のCPUコアやデュアルチャンネルDDR4 SDRAM対応のメモリーコントローラー、外部グラフィックスチップ接続用のPCI Express 3.0 x16インタフェースを統合する点はこれまでと同じ。1個の物理コアを2個の論理コアとして扱う「Hyper-Threading」や、低負荷のときに動作周波数を自動で引き上げる「Turbo Boost」も従来製品と同様に搭載している。

第7世代Coreのダイ(半導体本体)のレイアウト
第7世代Coreのダイ(半導体本体)のレイアウト
(出所:インテル)
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 インテルがラインアップに追加したのは、デスクトップPC向けの「Sシリーズ」と、ノートPC向けの「Hシリーズ」、グラフィックス機能をIris PlusにしたモバイルノートPC向けの「Uシリーズ」、同社が「2イン1」と呼ぶ形態のモバイルデバイス向けで業務向け機能「vPro」に対応した「Core vPro Yシリーズ」など。CPUと組み合わせて使うチップセットも一新して「Intel 200シリーズ」とし、新たに「Z270」「H270」「B250」「Q270」「Q250」などを追加した。

 Sシリーズの最上位モデルはCore i7-7700K。動作周波数は4.2GHzでTurbo Boostにより最大4.5GHzで動作する。4コアを内蔵しており、Hyper-Threadingにより最大8スレッドを同時実行可能だ。内蔵のグラフィックス機能は「HD Graphics 630」。TDP(サーマル・デザイン・パワー、熱設計電力)は91Wと、第6世代Coreの最上位モデルと変わらない。

 Sシリーズでは、今回新たに低価格PC向けブランドのCore i3にもオーバークロック用のCore i3-7350Kを用意した。オーバークロックは、メーカーが保証する周波数よりも高い周波数で動作させて性能を引き上げること。インテル製CPUは、型番に「K」が付いたモデルがオーバークロック対応で、基準動作周波数(ベースクロック)に対する倍率を規定よりも高く設定できるようになっている。

デスクトップPC向け第7世代Coreプロセッサーのイメージ
デスクトップPC向け第7世代Coreプロセッサーのイメージ
(出所:インテル)
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 HシリーズはCore i7が4コア/8スレッド、Core i5が4コア/4スレッド、Core i3が2コア/4スレッド。グラフィックス機能はいずれもHD Graphics 630。TDPは45W(Core i3は35W)だ。

高性能ノートPC向け第7世代Core、Hシリーズ
高性能ノートPC向け第7世代Core、Hシリーズ
(出所:インテル)
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 Uシリーズの新モデルは、Core i7-7660U、i7-7560U、Core i5-7360U、i5-7260Uなど。いずれもグラフィックス機能として性能の高い「Iris Plus Graphics 640」を搭載する。2コア/4スレッドでTDPは15W。TDPが28WでCPUとグラフィックスの性能を高めたモデルもある。

モバイルノートPC向けで低消費電力の第7世代Core Uシリーズ
モバイルノートPC向けで低消費電力の第7世代Core Uシリーズ
(出所:インテル)
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