KDDIは2016年12月28日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)向け通信技術のLoRaWANに対応した検証キット「LoRa PoCキット」を発表した。2017年1月の提供開始を予定している。

 LoRaWANはIoT向け通信規格LPWA(Low Power Wide Area Network)の一つで、半導体メーカーや機器メーカーなどが参加したLoRa Allianceが策定した。無線局免許が不要な周波数帯を使用することやカバーエリアの広さ、消費電力の少なさが特徴だ。製品名のPoCは、Proof of Concept(検証試験)を意味する。

 LoRa PoCキットは、ソラコムが開発したシステムと、KDDIのIoT向け回線サービスを連携させた企業向け検証キットである。検証試験に必要なシステム一式がそろっており、すぐに検証試験を実施できる。機材は持ち運べるため、任意の場所でLoRaWANの通信エリアを作り出せる。

LoRa PoCキットに含まれる機材のうち、LoRa端末(左)と屋外用LoRaゲートウェイ(中央)、屋内用LoRaゲートウェイ
LoRa PoCキットに含まれる機材のうち、LoRa端末(左)と屋外用LoRaゲートウェイ(中央)、屋内用LoRaゲートウェイ
(出所:KDDI)
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 LoRa PoCキットは次の6点を含む。(1)LoRaWANの基地局に相当する「LoRaゲートウェイ」1台(屋内用か屋外用のいずれか)、(2)LoRaWANの子機にあたる「LoRa端末」10台、(3)クラウドサービスとして提供するLoRa端末およびLoRaゲートウェイの管理コンソールの6カ月分の利用料、(4)クラウドサービスへの接続などに用いる「KDDI IoTコネクト Air」対応ルーター1台、(5)KDDI IoTコネクト Airの通信費用6カ月分、(6)問い合わせ対応のサポート費用6カ月分――。

LoRa PoCキットの構成
LoRa PoCキットの構成
(出所:KDDI)
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 価格は120万円(税別)。KDDIは個別見積もりでアプリケーションサーバー開発支援を請け負う。IoT向けのシステムやアプリケーションの開発や構築、運用開始、改善を請け負うクラウドサービス「KDDI IoTクラウド Creator」を使うことも可能だ。