ソニーの米国子会社Sony Corporation of Americaは現地時間2016年12月26日、同米国子会社Sony Music Entertainment(SME)の公式Twitterアカウントがハッキングされたことを明らかにした。すでに同アカウントは復旧している。

 SMEは、偽の訃報が発信されてしまった米国女性歌手Britney Spears氏とそのファンに対し、「混乱を招いたことを謝罪する」との声明を発表した。

 偽情報のツイートはすでに削除されているが、複数の米メディア(Mashableなど)がスクリーンショットを掲載している。それによるとSMEの公式Twitterアカウントから12月26日に「britney spears is dead by accicent!(Britney Spearsさんが事故死!)」「RIP @britneyspears(Britney Spearsさん、安らかに)」といったコメントがツイートされた。

 その後、Spears氏が実際には生きていることを告げるツイートが投稿され、ハッカー集団「OurMine」を示唆するハッシュタグが付けられていた。OurMineは米Marvelや米Netflixのほか、著名人の公式アカウントを乗っ取ることで知られる。同集団は自身について、セキュリティ対策の甘さを指摘する「セキュリティグループだ」と主張している。

 米CBS NewsがOurMineに電子メールで連絡をとったところ、OurMineは偽の死亡情報を流したのは自分たちではないが、その後、SMEのアカウントをハッキングしてツイートしたことは認めた。

 ソニーは2014年にも、米国法人Sony Pictures Entertainment(SPE)が大規模なサイバー攻撃を受けた。当時SPEは北朝鮮の金正恩第1書記(現朝鮮労働党委員長)の暗殺計画を題材にしたコメディー映画「The Interview」の公開を控えており、北朝鮮政府が関与しているとの見方が強かった(関連記事:ソニーピクチャーズへのサイバー攻撃、北朝鮮が関与か)。一方で、SPEに不満を抱く内部関係者の犯行と見る意見もあった(関連記事:ソニーへのサイバー攻撃、北朝鮮関与に一部専門家が異論)。

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