野村総合研究所(NRI)は2016年12月26日、オーストラリアのシステム開発会社であるASGグループの買収手続きを完了したと発表した。NRIはASGの買収を2016年9月に発表済み。買収額は約274億円。NRIによる企業買収では過去最大規模である。

 ASGはERP(統合基幹業務システム)や経営データ分析、ITインフラのコンサルティングなどを手掛ける。2016年6月期の連結売上高は約160億円で、連結税引き前利益は約14億円。社員数は800人超で、約250の顧客を抱える。

 買収プロジェクトを担当したNRIの川浪宏之経営役豪州プロジェクト室長は、ASGについて「最大の強みは痛みの伴う変革を顧客と一緒にやり切るコンサルティング力」と話す。「企業の業務プロセスや独自システムを変革し、場合によっては顧客からシステムや人的リソースを買い取り、その顧客にクラウド型のマネージドサービスとして提供することもある」という。

NRIの川浪宏之経営役豪州プロジェクト室長
NRIの川浪宏之経営役豪州プロジェクト室長
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 NRIはアジアを中心に、オーストラリア以外でもASGのサービスを活用していく方針。具体的には2017年から詰めるという。

■変更履歴
当初、NRIへの取材を基に買収額を「150億~200億円弱とみられ」と記述していましたが、正しくは約274億円であることが分かりました。本文は修正済みです。併せて記事の見出しも修正しました。[2016/12/27 18:00]