富国生命保険は2016年12月26日、給付金などの支払い査定に日本IBMのビッグデータ分析ソフト「IBM Watson Explorer」を利用するシステム「診断書査定自動コード化システム」を構築したと発表した。2017年1月から稼働を開始する。

 同システムは診断書などを基にして、疾病や災害、手術などの判別や分類を自動で進めてコード化することで、給付金などの支払い査定業務を支援する。支払いの迅速化や業務の効率化が図れるため、業務処理の負担を30%程度削減できる見込み。

 コード化に当たっては、診断書に記載された傷病名と手術名を正しく認識して、該当するコードを提示仕組み。併せて、診断書の経過欄に記載されたデータから支払事由に該当するキーワードを抽出し、前後の文脈を判断して入退院日や手術日などの日付情報を抽出する。

 過去の査定履歴を学習させており、査定業務担当者の経験やノウハウを継承している。システムの導入後も、査定結果を継続的に反映させることによって精度を向上させるという。

 富国生命保険はこれまでも顧客からの苦情などを分析する用途でIBM Watson Explorerを導入済み。今回、IBM Watson Explorerを給付金の支払い査定業務に利用した。今後は、支払い査定の検証作業にもIBM Watson Explorerを利用する予定という。システムは日本IBMが構築した。