米通商代表部(USTR)が、偽造品販売や知的所有権侵害が指摘される「悪質業者リスト」に中国Alibaba Group(阿里巴巴集団)のオンラインマーケットプレイス「Taobao(淘宝)」を再追加すると決定したことを受け、Alibabaは現地時間2016年12月23日、知的財産保護の諮問委員会を設置する意向を明らかにしたと、米経済紙Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)や米金融ニュースサイト「The Street」が報じた。

 Taobaoは2011年にUSTRにより悪質業者に指定されたが、偽造品撲滅の取り組みを通じて米当局の懸念に対応しているとして2012年に指定解除されていた(米New York Timesの報道)。

 Alibabaの広報担当者は今回、「米国を含む海外のブランド企業や販売事業者団体と協力する」との声明を発表。諮問委員会の具体的なメンバーは明かさなかったが、2017年3月に最初の会合を開くことを明らかにした。

 AlibabaのDaniel Zhang(張勇)最高経営責任者(CEO)は社内メールで、「偽造品撲滅は真剣かつ長期にわたる取り組みを要するもので、一夜にして達成できることではない」と述べた。

 Alibabaは積極的な偽造品対策を強調しているが、「Taobaoで売られているブランド品の最大80%は偽物」(インドStrategic IP InformationのBharat Dube CEO)という意見もある。米MorningstarのアナリストであるMarie Sun氏は「偽造品はAlibabaのオンラインマーケットプレイスだけの問題ではなく、実店舗も含めて中国本土に存在する問題だ」と指摘している。

 また、USTRが12月21日にTaobaoの再指定を発表した際、AlibabaのMichael Evans社長は「たいへん失望している。4年前にUSTRが我々を指定解除したときより、我々ははるかに知的財産保護の効果を上げ、進歩している。USTRの決定が事実に基づいているのか、あるいは政治情勢の影響を受けているのではないかと疑問に思う」と反論した。