米Appleが秋に発売した新型「MacBook Pro」が、非営利の米消費者団体が発行するConsumer Reports誌から「推奨」の評価を受けられなかったとの報道に対し、Appleワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントPhil Schiller氏は現地時間2016年12月23日、「テスト結果は我々の徹底的な実験室試験や実地データと一致しない」とツイートした。

 Schiller氏は自身のTwitterアカウントから、Consumer Reportsが推奨評価を出さなかったと報じたApple関連の情報サイト「iMore」の記事のリンクを投稿し、「Consumer Reportsのバッテリーテストを理解するために同誌と話合っている」と述べた。

 Consumer Reports誌が12月22日に公表した評価テストの報告によると、MacBook Proは「ディスプレイの品質やパフォーマンスは良い結果だったが、バッテリー寿命に大きなばらつきが見られた」という。AppleのノートパソコンでConsumer Reportsの推奨評価が付かないのはこれが初めて。

 Appleが「最大10時間」としている同製品のバッテリー寿命については、発売以降、多くの意見が交わされ、一部では「3~4時間しかもたない」との声もある。

 Consumer Reportsのテストでは、フル充電したMacBook Proで標準ブラウザー「Safari」を使ってWebページを連続してダウンロードし、デバイスがシャットダウンするまでの時間を計った。

 Touch Bar搭載の13インチモデルは1回目のテスト結果が16時間、2回目が12.75時間、3回目が3.75時間だった。Touch Bar非搭載の13インチモデルは、19.5時間から4.5時間と大幅な開きがあり、15インチモデル(Touch Bar標準搭載)は18.5時間から8時間の差が見られた。

 一般的に、ノートパソコンのバッテリー寿命にはばらつきがあるものの、テストごとの誤差は5%未満という。

 Consumer Reportsは、こうした製品性能はソフトウエアのアップデートで改善する場合も多いので、Appleがソフトウエアアップデートで対処した際には改めてテストを行うとした。

 また同誌は、同様のバッテリーテストをSafariではなく「Chrome」で実験的に行った結果についても報告した。1モデルにつき2回実施し、合計6回ともSafariより持続時間が長かったが、「結論を導き出すには十分なデータとはいえない」ため、評価に反映していない。