自動車部品世界大手のデンソーとNECが自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の技術開発で提携することが24日、分かった。NECが持つAI(人工知能)技術やソフトウエア開発のノウハウを活用し、危険を予測して走行を制御する技術などを共同で開発していく。

 両社は週明けにも提携を発表する。デンソーの顧客である自動車メーカー各社は自動運転やADASの技術開発を急いでいる。デンソーは部品供給だけでなく、歩行者や車両の検出に向くカメラとAI、運転制御ソフトを組み合わせるなど自動運転関連のソリューション提案を強化して競合との差異化を図る。

 NECはIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連事業を将来の収益の柱に据え、自動運転につながる技術開発を進めてきた。例えば、道路の障害物や歩行者をセンサーなどで確認してからブレーキをかけるのではなく、ビッグデータ解析を基に「歩行者が飛び出してくるかもしれない」と予測して運転に反映させる技術などを研究している。

 今回の包括的提携では取り組みの応用・強化に加え、通信機能を備えた「コネクテッドカー」の実現や、サイバーセキュリティー対策などに包括的に取り組む方針だ。

 NECがデンソーと協業するのは今回が初めてではない。2016年5月には傘下のNEC通信システムを通じデンソーや車載ソフト開発企業と共同で、センサー類を制御する電子制御ユニット(ECU)のソフト開発会社を設立している。