さくらインターネット、テックビューロ、アララの3社は2016年12月20日、電子マネー勘定システムへのブロックチェーン適用実験を実施し、平均で秒速3000件以上の決済トランザクションを処理できたと発表した。3社は、大規模な電子マネーへのブロックチェーン導入が、十分有効であることが証明されたとする。

図●実験環境の概要
図●実験環境の概要
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 さくらインターネットの「さくらのクラウド」上に、テックビューロのブロックチェーンソフト「Catapult」(「mijin」の次期バージョン)を使った勘定システムを構築。アララが性能や可用性、データの整合性について検証した。平均で秒速3000件以上、最大4142件の決済トランザクションの処理に成功したという。さらに、ブロックチェーンを構成する複数ノードを停止状態にしても、パフォーマンスの低下は見られなかった。

 さくらのクラウドの東京リージョンで、検証環境を構築した。3ノードでブロックチェーン環境を構成し、トランザクションを発生させる用途で、シミュレーションサーバーを2台準備。ピーク時における1時間あたりの利用を1080万人と想定し、ブロックチェーンを構成する三つのノードに対して、連続的に支払いリクエストを送信するなどした。

 今後は、東京と北海道の2リージョンにノードを分散させたケースを想定した適用実験などを計画している。