フィンランドNokiaは現地時間2016年12月21日、米Appleに多数の特許を侵害されたとしてドイツと米国で同社を提訴したと発表した。

 両社は2009年より米国内外で特許訴訟を繰り広げたが、2011年にAppleがNokiaに特許使用料を支払うことで和解した(関連記事:AppleとNokiaが和解、Nokiaの特許収入は年間数億ドルか)。

 しかしNokiaの主張によると、AppleはNokiaの技術ライセンス事業であるNokia Technologiesと2011年にライセンス契約を結んで以降、Apple製品で使用している他の特許技術について、Nokiaによるライセンス契約の提案を拒否しているという。

 Nokia特許事業責任者のIlkka Rahnasto氏は「これまでライセンス契約締結に向けて交渉を重ねてきたが、(交渉がまとまらなかったため)当社の権利を守るために行動を起こした」と述べた。

 Nokiaが問題としているのは、ディスプレイ、ユーザーインタフェース、ソフトウエア、アンテナ、チップセット、ビデオコーディングに関する32件の特許で、ドイツのデュッセルドルフ、マンハイム、ミュンヘンの地方裁判所、および米テキサス州東部の連邦地方裁判所に訴状を提出した。Nokiaは、他の司法管轄区域でも訴訟の手続きを進めているという。

 一方Appleは12月20日、米Acacia Researchをはじめとする一連の特許保有企業を米カリフォルニア州で提訴した。これら企業がNokiaと共謀して、Appleや他のスマートフォンサプライヤーから不正かつ反競争的に法外な収益を得ていると、Appleは主張している(米Bloombergの報道)。

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