ビットコイン取引所の運営などを手掛けるbitFlyerは2016年12月21日、新しいブロックチェーン技術「miyabi」を発表した。最初のバージョンのソフトウエアが完成し、銀行などの第三者による実証実験済みで、「2017年には実際の採用事例が出せると考えている。BaaS(Blockchain as a Service)やパッケージソフトとしての提供も予定している」(加納裕三 代表取締役)。

bitFlyerの加納裕三 代表取締役
bitFlyerの加納裕三 代表取締役
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 miyabiの特徴は、(1)取引の確定ができる独自のコンセンサスアルゴリズム「BFK2」の実装、(2)スマートコントラクト実装機構「理(ことわり)」の実装、(3)毎秒1500トランザクションを処理できる高パフォーマンス、の三つである。パフォーマンスついては「世界最速」(加納 代表取締役)をうたう。毎秒6~7トランザクションしか処理できなかったビットコインのブロックチェーン技術に比べると、200倍のパフォーマンスとなる。オープンソースや他社のプロプライエタリ実装のブロックチェーンと比べても高速であるとする。

 ほかの特徴は以下の通り。ビットコインのブロックチェーンで使われるコンセンサスアルゴリズム「Proof of Work」は、いつまでも取引の確定(ファイナリティ)ができず、業務システムに利用するにはこの点が課題になることが多かった。独自開発したBFK2はこの点を改良して、取引の確定を実装した。

 スマートコントラクト実装機構の理は、「オープンソースソフトなどのこれまでの実装は検査機構が無くて安全でなかったり、バグがあったりした。理は資産計算に特化することで、検証可能な仕組みにした」(加納 代表取締役)。ただし、特化したことで利用上の制限があるという。

 miyabiは「20人弱の社内のチームでスクラッチ開発した」(加納 代表取締役)という。加納 代表取締役は「世界と戦える企業を作りたい」と意気込みを語った。