クラウド会計ソフトを手がけるfreeeは2016年12月19日、クラウド上の財務データの提供に関して、横浜銀行と協業したと発表した。横浜銀行から融資を受けたい中小企業は、仮審査に必要な情報を「クラウド会計ソフト freee」を介して横浜銀行に提供できるようになった。同様の協業は、ジャパンネット銀行に次いで2行め。地方銀行では初めてとなる。

 横浜銀行の法人向け融資商品「<はまぎん>スーパービジネスローン」の仮審査に、freeeの財務データを利用する。仮審査のプロセスがWeb上の手続きだけで完了するので、最短で当日に資金調達の可否が分かる。従来は書類の準備に時間がかかり、融資可否が判明するまでもある程度の時間が必要だった。

 freeeの既存機能を利用して、横浜銀行に財務データを渡す仕組み。freeeはデータアクセスを許可するアカウントをメールで招待する機能を備えている。これを使って、銀行担当者をfreeeにログインさせる。元々は税理士を招待してアドバイスを受ける用途に使う機能だったが、銀行へのデータ提供にも利用する。

 使い方は以下の通り。まず、融資を希望する中小企業は、横浜銀行が用意する融資仮審査申し込みのWebページに情報を記入し、freeeの管理画面から横浜銀行のアカウントを招待する。横浜銀行はfreeeにある財務データを基に仮審査を進め、電話で審査結果を回答する。仮審査に通った中小企業は、続けて銀行所定の本審査申し込みの手続きを実施する。

「<はまぎん>スーパービジネスローン」の仮審査にクラウド会計ソフトfreeeの財務データを利用する
「<はまぎん>スーパービジネスローン」の仮審査にクラウド会計ソフトfreeeの財務データを利用する
(出所:freee)
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