NTTアドバンステクノロジ(NTT AT)は2016年12月19日、小型加速器中性子源を用いた「ソフトエラー試験サービス」の提供を開始した。NTTや名古屋大学、住重試験検査(SHIEI)が共同で開発した試験方法を利用する。数メートル程度で比較的小型の加速器中性子源を使って、試験対象の電子機器に中性子を照射することで、宇宙線に起因する電子機器の誤動作である「ソフトエラー」を再現する。

 通信装置などが一時的に故障してネットワークが不調になった場合、機器ベンダーが故障の原因を特定できないケースがある。こうした時、同サービスを利用してソフトエラーを再現させて発生確率を測定することで、ソフトエラーが原因なのかを判断できる。

 ソフトエラー試験が必要になった背景には、通信機器などに使われる半導体デバイスの高集積化・微細化がある。ビットを判定するのに必要な電荷が少なくなっているため、宇宙線由来の中性子線によって発生する、陽子やα粒子といった微小な電荷の影響を受けやすくなった。これが一時的なエラーであるソフトエラーの原因になっている。

ソフトエラー発生のメカニズム(プレスリリースから)
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ソフトエラー発生のメカニズム(プレスリリースから)

 利用料は個別見積もり。NTT ATと試験内容を打ち合わせて見積もる。試験はSHIEIなどが持つ小型加速器中性子源施設で実施する。

[NTTアドバンステクノロジのプレスリリース